4、


『るぐるぐるぐるぐ』

はじけるカラフル
胸の中から

小ぶりな完全球体の
沢山の色がはじけ飛び
アタシから広がっていく万華鏡

瞳はジュエリー
ダイヤから黒耀石へ
そして煌くルビーの狂気

空中で一回転
生えた羽はくすんだホワイト

歪な羽では上手く飛べないので
半径3m万華鏡圏内の方々よ
足元にお気をつけて下さい


3、

『サカタコヨテタ』

夢は消えた

平々凡々
つまらない

降り立った地は
いわゆる「ありふれた世界」

非現実というアブノーマルは
腐ったリアリスト共に射殺されるそうで

羽を持つ私は
民のためという下らない免罪符をもって
人権ごと抹殺されるので

そろそろ飛び立ちます

サヨナラと共に
崩れる「生き物としてのアタシ」


2、

『コヨテタ』

ついには飛べなくなった
アタシは何よりも美しい絵画一枚でしょう

許されるのは

垂直移動
平行移動
直線移動

くらいなもので

そこで
フリーダム行動

は許される余地
等ないのです

色はある
音もある

あぁでも

味気はないですね

三回目のサヨウナラ


1、

『テタ』

ついには垂直移動さえ許されないそうで
ただただ真横真横に走っていくだけ

心なしか息苦しいのは

求めたものが無いからでしょう

こんなことなら

「1番目」で「4番目」
の世界に留まっておいた方がマシだったかしら

でも
戻ることなど不可能ですし

というわけで
サヨウナラ


0、

『・・・』

かろうじて残っていた意識さえ
途切れ

アタシは『・・・』となった

もう何処にもアタシは居ませんよ
でも同時にアタシは何処にでもいるのです

永遠と刹那が圧縮され過ぎた
「全てと最も遠いところにある」
という概念の
始まりの場所であり
美味しいところも
醜いところも
吸い尽くされた
慣れの果ての場所…

そしてアタシにとって
最も大事なこと

「求めたものは
どこにも”無”かったのです」